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児童精神科退院後のケアとは? 家族支援と多職種連携の重要性を解説
児童精神科からの退院後のケアは、子どもの社会生活にとって非常に重要です。しかし、十分なケアが提供されているとは言えないケースも多い現状があります。
子どもの入院は、本人だけでなく家族にとっても大きなストレスとなります。退院後、新たな恐怖感や睡眠障害、退行行動などの課題に直面する子どもも少なくありません。また、学校生活への再適応や家族関係の再構築など、多岐にわたる場面で支援が必要となります。
訪問看護は、こうした状況の中で継続的なケアを提供する重要な役割を担っています。特に、児童精神科に特化した訪問看護サービスの需要が高まっています。
本記事では、児童精神科からの退院後のケアにおける家族支援と多職種連携の重要性を解説します。また、子どものケアにおいて訪問看護が果たす役割や、効果的な支援方法についても詳しく紹介します。さらに、この分野で活躍する看護師や作業療法士のキャリアパスについても触れます。
児童精神科における退院後ケアの現状と課題
児童精神科からの退院後、多くの子どもたちは症状の再発リスク、学校生活への再適応、家族関係の再構築などのさまざまな課題に直面し、継続的な支援が必要な状況になります。しかし、現状では退院後のケアが十分に提供されているとは言えません。結果的に、入退院を繰り返す子どもも多くいます。
特に、家族環境の調整や多職種連携による包括的支援の不足が指摘されています。また、地域の資源不足や、専門的な知識を持つ支援者の不足も見過ごせない課題です。退院後の継続的なケアシステムの構築と、専門的な訪問看護サービスの充実がこれらの課題に対応するカギと言えるでしょう。
退院後に直面する主な課題
退院後の主な課題には、症状の再発リスク、学校生活への再適応、家族関係の再構築、社会的スキルの向上などがあります。また、新たな恐怖感、睡眠障害、退行行動、攻撃的な行動なども課題です。これらの課題に対して、専門的な知識を持つ看護師や作業療法士による支援が重要な役割を果たすのです。
継続的なケアの必要性
症状の安定化、再発予防、社会適応能力の向上には継続的なケアが有効です。長期的な視点での支援により、子どもとその家族が退院後の生活に適応しやすくなります。例えば、病棟内で適切なケアを受けていたとしても、退院後に戻る環境が改善されていなければ、同じ問題が再発してしまう可能性は高くなってしまいます。
そうならないための継続的なケアを提供するには、地域連携や多職種協働が重要です。
訪問看護が果たす役割
訪問看護は、地域での継続的なケアや家族支援において強みを発揮します。具体的な特徴について見ていきましょう。
退院後のケアにおける訪問看護の意義
訪問看護は、症状の継続的なモニタリング、服薬管理、生活リズムの調整など、退院後に重要となるケアを提供します。普段住んでいる家庭の環境で支援を行うことで、地域生活への適応を促進し、より実践的な生活支援ができます。また、家族全体を視野に入れた包括的な支援を行えるのも強みです。
ナンナル代表で児童精神科医の岡琢哉は、NHKクローズアップ現代に出演した際に、訪問看護の意義についてこのように語りました。
岡「子どものメンタルヘルスの問題は、短期間で薬を飲んだらスパッと治るものではないので、ゆっくり時間をかけてやっていく。訪問で生活の場でやっていく方が適している」
「子どもの心っていうと子どものことだけにフォーカスが当たるんですけど、子どもの周りにいろんな大人がいて、その外に社会があって子どもたちに関わっていくので、子どもの心も家族の心も一緒に診ていける。そういったところが、医療者がステーションで訪問で行く大きな意味かなと思っています」
引用:NHK クローズアップ現代『きこえますか?子どもの心のSOS コロナ禍のメンタルヘルス』

ナンナルの訪問看護サービスの特徴
ナンナルでは、児童精神科に特化した専門的な訪問看護を提供しています。専門的な知識と経験を持つ看護師や作業療法士による質の高いケア、多職種連携を重視したアプローチが特徴で、利用者からもきめ細やかな支援と高い専門性が評価されています。
退院後の支援における看護師・作業療法士の役割
看護師・作業療法士は、退院後の支援において重要な役割を果たします。その専門性を活かし、家族の心理的サポート、疾患や治療に関する情報提供、家族間のコミュニケーション促進などを支援します。また、家族の状況を継続的に評価し、必要に応じて他の専門職と連携します。
認定看護師で阿佐ヶ谷ステーション所長の校條「『この期間があったから良かった』と後から思えるような支援を少しだけ一緒に考えることに、家族支援の意味を感じます。家族だけでは、そのような思いになるのは、難しい場合が多いからです。困難を抱えているお子さんの支援で行き詰まっているご家庭の中に、「それでいいんだよ」という立場の人が入るだけでも、 風通しは変わってくると実感しています。ですから家庭内に入る意味は大きいと思います」
看護師で世田谷サテライト営業所長の田村「親御さんに『同じ方向を向いているんだ』『この支援でいいんだ』と感じてもらうことを大事にしています。そして、子どもが動き出すチャンスが来たときに、一緒に背中押してあげる。長期的に関わることで、そのタイミングを見逃さないようにすることができます」

退院支援と多職種連携の課題と改善策
退院支援と多職種連携は、退院後のケアの質を左右する重要な要素ですが、実践頻度が低いという課題があります。背景には、時間的な制約や連携システムの不備などがあります。
こうした課題を解決するには、退院前からの計画的な支援準備、多職種カンファレンスの定期開催、情報共有システムの整備などが必要です。特に、看護師や作業療法士が連携コーディネーターとしての役割を担うことで、より効果的な多職種連携が実現できます。ナンナルでは、これらの課題を踏まえた退院支援と多職種連携の取り組みを積極的に行っています。
退院支援の現状と改善策
退院支援の課題として、退院準備の不足や地域生活への移行支援の不十分さが指摘されています。退院前から計画的な支援準備、家族を含めた退院前カンファレンスの実施、地域の支援機関との連携強化などを進めておくことで、退院後の地域生活への移行がスムーズになります。ナンナルでも、病院との連携を通して、こうした支援を積極的に取り入れています。
多職種連携の重要性と実践例
包括的な支援を実現する上では、多職種連携が欠かせません。医師、看護師、作業療法士、臨床心理士、学校関係者などさまざまな職種が連携することで、子どもの多様なニーズに対応できます。実践例として、定期的な多職種カンファレンス、情報共有システムの活用、合同研修の実施などが挙げられます。
ナンナル代表で児童精神科医の岡琢哉は、このように述べています。
「大きい病院で働いて思ったのは、大きな病院だけですべてが解決できるわけじゃないということです。地域、福祉、教育と方々とどうメンタルヘルスの問題を共有していくか、これが大事です。大きな病院で治った方が地域に戻っていきますよね。地域に理解がなければ、結局地域に戻れないんです。そこがかなり大事なのではないかと。
大きな専門病院で働いて一番よかったと思うのは、専門病院は人の数が多いことです。とはいっても足りてはいないのですが…地方と比べると同じ志をもった専門家が大勢いますし、そこを求めてたくさんの人が集まります。そこでは、私だけでは得ることのできない経験や知識が得られます。どんな仕事でも一緒かもしれませんね。大企業で学んで独立するというイメージでしょうか。それは児童精神科でも一緒で、地域に広げていきたいという想いがありますね」
引用:「こころ」のための専門メディア 金子書房『誰かの安心のために(岡 琢哉:発達障害クリニック 児童精神科医)#私が安心した言葉』
こうした思いがあり、ナンナルを立ち上げた経緯があります。

児童精神科訪問看護のこれから
児童精神科の看護、特に退院後のケアは、子どもたちを支える重要な役割を担っています。成長と回復を支援する喜び、家族全体の生活の質向上に貢献できる達成感は何物にも代えがたいものです。さらに、地域社会の精神保健の向上にも寄与でき、仕事を通して社会に大きな影響を与えられる可能性もあります。
なかでも児童精神科訪問看護は、比較的新しい領域です。ナンナルでは、看護師や作業療法士には、が継続的に学習していける環境を作っています。
内部リンク:ナンナルが教育部門を新設。看護の質向上と人材育成に取り組んでいます【教育担当・志賀インタビュー】
学びながら多様なケースへ対応していくことによって、看護師や作業療法士としての視野も広がるはずです。また、ワークライフバランスの取りやすさも魅力です。
内部リンク:地域で連携して働く、看護師の新しい役割 | 訪問看護ステーション ナンナル|精神科訪問看護
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ナンナルでは、子どもたちと家族を支える仲間を募集しています。ご興味のある方は、ナンナルのカジュアル面談や見学をぜひ検討してみてください。
ナンナルでは、経験豊富な先輩看護師のサポートや充実した研修制度により、児童精神科や訪問看護が未経験でも安心してスタートできる環境が整っています。新しいキャリアにチャレンジしたい方は、ぜひナンナルの求人をチェックしてみてください。
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