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訪問看護は休めない?実態と解決策、働きやすいステーションの選び方

訪問看護に従事する看護師の「休めない」という悩みは深刻です。本記事では、訪問看護師が休みづらい理由を探り、その解決策を提案します。また、働きやすい訪問看護ステーションを見つけるためのチェックポイントも紹介します。ICTの活用や柔軟な勤務体制など、ナンナルの取り組みを例に、理想的な職場環境についても解説していきます。

「訪問看護は休めない」と言われる理由

訪問看護師が休暇を取りづらい背景には、複数の要因が絡み合っています。看護師の人手不足、受け持ち制による属人性、急な欠勤時のスケジュール調整の難しさなど、さまざまな課題が挙げられます。しかし、これらの課題は対処が可能です。

看護師の人手不足

訪問看護の需要は年々増加しています。訪問看護ステーション数は、厚生労働省の「訪問看護療養費実態調査」によると2023年には12,892か所まで増加しました。一方で、厚生労働省の「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」では、看護師の有効求人倍率は2.20倍(2022年)とされ、全職業の1.19倍と比べても大きく、人手不足であることがわかります。この需要と供給のギャップが、訪問看護師の休暇取得を困難にしている要因のひとつです。

人手不足により、各看護師の負担が増加し、休暇を取ることで同僚に負担をかけてしまうという心理的プレッシャーも生まれがちです。結果として、多くの訪問看護師が休暇を取りづらいと感じる状況につながっています。

受け持ち制で替えが利かない

訪問看護では、継続的なケアの提供と利用者との信頼関係構築のため、1対1の受け持ち制が一般的です。この制度は利用者にとって安心感をもたらす一方で、担当看護師の休暇取得を難しくする要因となっています。

利用者の状態や生活環境、家族関係など、細かな情報を把握しているのは担当看護師のみであることが多く、急な代替が困難です。また、長期的な信頼関係を築いている担当看護師の不在に、不安を感じる利用者も少なくありません。

このような属人性の高さが、「自分が休むと利用者に迷惑がかかる」という思いを生み、休暇取得をためらわせる一因となっています。

急な欠勤によるスケジュール調整が難しい

訪問看護の特性上、利用者の生活リズムや医療ニーズに合わせた柔軟な対応が求められます。そのため、急な欠勤が発生した場合のスケジュール調整は非常に困難です。

例えば、特定の時間帯に医療処置が必要な利用者や、生活リズムの維持が必要な利用者など、訪問時間の変更が難しいケースも多くあります。また、移動時間の関係で、代替の看護師が対応できない場合もあります。

このような状況下で、休暇を取ることで同僚に負担をかけてしまうという懸念が、多くの訪問看護師の休暇取得を妨げています。

働きやすい訪問看護ステーションの見分け方

求職中の看護師が働きやすい環境を見極めるためのポイントを考えていきます。

1人で抱え込まない体制ができているか?

チーム全体で情報を共有し、互いにサポートし合う体制を構築することが重要です。ナンナルでは、以下のような取り組みを行っています。

  1.  詳細な報告書作成・情報共有
    担当看護師以外でも利用者の状況を把握できるようにしています。
  2.  チーム制の導入
    複数の看護師で1人の利用者を担当することで、休暇時の代替がスムーズになります。
  3.  定期的なケースカンファレンス
    利用者の情報を組織全体で共有し、チームとしての対応力を高めています。

これらの取り組みにより、「1人で抱え込む」状況を避け、チーム全体で利用者のケアを行う体制を整えています。

所長・校條「利用者さんとの距離がすごく近くなりやすく、1人で抱えてしまうこともある仕事なので、自分と利用者さんをきちんと切り離せることが大事です。もし切り離せない状況になっていたら、 チームのメンバーが気づける体制にして、介入しています」

年間休日の日数や勤務時間は?

年間休日数や勤務時間の柔軟性は、ワークライフバランスを保つ上で重要な要素です。ナンナルでは、以下のような柔軟な勤務体制を導入しています。

  • 管理職・Tさん:4.5日/週勤務
  • 看護師:週3~5日(状況に応じて柔軟に変更可能)

このような柔軟な勤務形態により、個々の生活スタイルに合わせた働き方が可能となっています。

1日の訪問件数は?

1日の訪問件数は、業務の質と看護師の負担に直結します。適切な訪問件数は、利用者の状態や訪問にかかる時間によって異なりますが、一般的には1日4~6件程度が目安とされています。

ナンナルでは、看護師の経験や利用者の状況を考慮しながら、無理のない訪問スケジュールを組んでいます。これにより、質の高いケアの提供と看護師のワークライフバランスの両立を実現しています。

オンコール対応はある?

オンコール(待機)体制は、看護師の私生活に大きな影響を与える要素です。ナンナルでは、看護師の負担軽減のため、以下のような方針を採用しています。

  • オンコール体制なし
  • 関係機関からの連絡は、個人のスマートフォンではなくステーションで受け付け
  • 電話を受けた際は、チャットで情報共有

これらの取り組みにより、プライベートと仕事の線引きがしやすい環境を実現しています。

ICTツールの導入で業務効率化が実現できているか?

最新のICTツールを活用した柔軟な働き方について詳しく説明します。ナンナルでは、以下のようなICTツールを導入しています。

  1.  オンライン朝礼
    自宅からでも参加可能です。
  2.  スマートフォンでのスケジュール確認
    効率的な時間管理が可能です。
  3.  チャットツールでのコミュニケーション
    リアルタイムの情報共有ができます。社内のコミュニケーションツールはLINE Worksを使用しています。
  4.  電子記録システム
    訪問先などでのスマートフォン入力により、業務効率化を図っています。カルテはiBowを使用しています。
  5.  勤怠記録アプリ
    訪問が終わり次第、就業時間より早く帰宅することを許可しています。勤怠はアプリで打刻できるため、人によっては家事などを先に終わらせてから看護記録をつける方もいます。

これらのツールにより、業務効率化と情報共有の促進が図られ、結果として休暇取得もしやすくなっています。

ナンナルの作業療法士・内田「朝礼、ケース会議、ミニケースカンファレンスなど、オンラインで行うことも多いです。個人的にはとてもありがたいです。合間でちょっとできたり、移動時間を減らせたり。働きやすさの理由のひとつだと思います。

事務所に来なくても、ICTを活用して仕事ができます。看護記録など、何をするにもタブレットやスマホ1つあれば仕事ができる環境整えてもらっています」

ナンナルで働いてみませんか?

訪問看護の現場で「休めない」状況を改善するには、個人の意識改革だけでなく、組織全体での取り組みが不可欠です。休暇が取りやすい環境づくりは、看護師の皆さんのワークライフバランスを向上させるだけでなく、結果として利用者へのより質の高いケア提供にもつながります。

ナンナルでは、子どもたちと家族を支える仲間を募集しています。ご興味のある方は、ナンナルのカジュアル面談や見学をぜひ検討してみてください。

入職するまでのキャリアは多様で、さまざまなバックグラウンドを活かすことができます。またナンナルでは、経験豊富な先輩看護師のサポートや充実した研修制度により、児童精神科や訪問看護が未経験でも安心してスタートできる環境が整っています。新しいキャリアにチャレンジしたい方は、ぜひナンナルの求人をチェックしてみてください。

すぐに転職できなくてもOKです。まずは30分程度のカジュアル面談(オンライン)ができるので、お気軽にご連絡いただき、ナンナルのことを知っていただければと思います。

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