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訪問看護に向いている人の特徴と必要なスキル

訪問看護は、医療において重要性が高まっている分野です。特に、児童精神科(もしくは児童思春期精神科)の訪問看護は、子どもたちの成長を支える重要な役割を果たしています。

訪問看護領域で働く看護師や作業療法士は、病院や施設とは異なる環境で、一人ひとりの生活に寄り添うケアを提供します。訪問看護に向いている人とはどんな人でしょうか?必要なスキルは何でしょうか?そして、病棟における看護との違いは何でしょうか?

本記事では、訪問看護の特性を詳しく解説し、この分野でのキャリアを考えている方々に役立つ情報をお届けします。

訪問看護の特性と求められる資質

訪問看護は、利用者の生活に寄り添う看護のかたちです。病院や施設とは異なり、利用者の家庭という私的な空間に入り込んでケアを行うため、以下のような資質や心構えが求められます。

まず、落ち着いた態度で人間全体を対象とするケアが重要です。病棟勤務でよくイメージされるような慌ただしさはありません。訪問看護では「全人的なケア」の視点がより必要となります。利用者の考えや思い、社会的な側面、生活リズムに応じた支援が求められます。

また、訪問看護師にはコミュニケーション能力も重要です。利用者やその家族との信頼関係を築くだけでなく、医師や他の医療・福祉専門職とも円滑に連携する必要があります。

さらに、独立して判断し行動する能力も重要です。訪問先では一人でさまざまな状況に対応しなければならないため、的確な判断力と問題解決能力が求められます。

訪問看護に向いている人の5つの特徴

訪問看護のなかでも、特に児童精神科(もしくは児童思春期精神科)分野での訪問看護に向いている人には、以下の5つの特徴があると言えます。

1. 子どもが好きな人

児童精神科の訪問看護を行うナンナルでは、特に子どもとの関わりを楽しめる人が向いています。子どもの言動を冷静に観察しながら、子どもの心に寄り添い、状況に応じた適切なコミュニケーションを取る能力が重要です。

2. 利用者家族とのコミュニケーションを大切にできる人

訪問看護では、利用者本人だけでなく、その家族とも密接に関わります。家族の不安や悩みに耳を傾け、適切なサポートを提供できる人が求められます。

3. 他職種との連携をスムーズに行える人

医師、作業療法士、ソーシャルワーカーなど、様々な専門職と協力して利用者をサポートします。チームワークを重視し、効果的な連携ができる人が向いています。

4. 柔軟な思考と対応ができる人

訪問先では予期せぬ状況に遭遇することも多々あります。緊急性と優先順位を判断して対応できる人が訪問看護に適しています。

5. 自立して仕事を進められる人

訪問看護では、多くの場合、一人もしくは少人数のチームで訪問します。現場での判断を求められることがあるため、自己管理能力が高く、責任感を持って仕事を遂行できる人が向いています。

これらの特徴を持つ看護師は、訪問看護、特に児童思春期の精神訪問看護で活躍できる可能性が高いでしょう。

ナンナルの現役看護師が考える「訪問看護に向いている人」とは

ナンナルで実際に働いている訪問看護師の方々に、「訪問看護に向いている人」について聞いてみました。現場での経験に基づいた貴重な意見を紹介します。

校條さんの考える「訪問看護に向いている人」

校條さん「適切な支援を提供しながらも、自分と利用者さんをきちんと切り離せることが大事だと思っています。


ただ、ご自宅の中に入るので、どうしても利用者さんとの距離が近くなりやすい仕事です。1人で抱えやすい仕事でもあるので、ナンナルの場合はチームとしても注意を向け、周囲も介入をします。 ですから、周りの意見を聞き入れる余裕や柔軟性も大事ですね。 そこで自分を客観的に1歩引いて考えて、話し合えることはすごく大事だと思います」

田村さんの考える「訪問看護に向いている人」

田村さん「待つ姿勢がベースにあって、ここぞという時に動ける人ですね。焦らないで取り組んでいきながら、状況をアセスメントできて、ここぞというときに動けるイメージです。

『今チャンスかな』『今背中押してあげれば動き出しやすいかな』『変わるんじゃないのかな』と察知して動ける力が大切だと思います。そのためには、自分のペースで無理に導くのではなくて、子どものタイミングや変化をちゃんと感じ取れることが必要です。待つことと、背中を押すこと。その両方をうまくやれる人がいいと思います」

訪問看護は苦労しそうと感じても、ナンナルでは働くことができます

一方で、訪問看護に向いていない特徴もあります。以下のような傾向がある人は、訪問看護での活躍が難しい可能性があります。

1. オンコール対応が苦手な人

訪問看護では、緊急時の対応が求められることがあります。事業所によっては24時間のオンコール体制の場合もあるため、24時間のオンコール体制に対応できない人は不向きかもしれません。ただ、ナンナルではオンコールを廃止しました。オンコール対応が苦手な人でも働くことができます。

2. 固定的な考え方しかできない人

利用者さんそれぞれの生活環境や価値観に合わせたケアが必要です。柔軟な思考ができない人は適していないかもしれません。一方で、プロフェッショナルとして譲れない部分もあって然るべきでしょう。ナンナルでは、社内で建設的な議論ができる環境があります。

3. 利用者の生活環境に適応できない人

さまざまな家庭環境に入ることになるため、その環境に適応できない人は困難を感じるでしょう。精神科看護では「環境の改善に向けて利用者と一緒に考えること」が、とても大切なケアのひとつとなります。

4. 独立して判断することが苦手な人

訪問先では一人で判断し行動する場面が多いため、常に指示を必要とする人には向いていないかもしれません。ただ、ナンナルは経営者が医師であり、また定期的にケース会議なども開いているので、相談できる環境があります。

病棟看護と訪問看護の違い

病棟看護と訪問看護の違いを紹介します。

1. 環境

病棟看護は医療機関内の管理された環境で行われますが、訪問看護は利用者の生活環境に出向いて行われます。

2. ケアの焦点

病棟看護は主に個人のケアに重点を置きますが、訪問看護はより包括的で、生活全般や家族も含めた範囲にわたるケアを提供します。

3. チーム体制

病棟では常に医師をはじめとする他の医療者と協力して働きますが、訪問看護では多くの場合、一人もしくは少人数のチームで訪問します。ただ、先に紹介した通り、他職種での連携や相談体制はあります。

4. 時間管理

病棟では慌ただしい環境でタイムプレッシャーを感じることが多いかもしれませんが、訪問看護では利用者のペースに合わせたケアがしやすいです。

これらの違いを理解することで、自分に合った看護のかたちを見つけていただきたいです。

ナンナルの現役看護師の転職経緯

ナンナルで働く看護師たちの転職経緯を紹介します。多くの看護師が病棟勤務から訪問看護へ転職していますが、その理由は様々です。

ある看護師は次のように話してくれました。

「病院で行われる関係者会議や退院前カンファレンスに参加していた際、病院外の様々な施設から来た専門家たちとの間で意見を交わす中で、互いの間にある意識の違いに気がつきました。特に、サポート方法や役割の分担がスムーズに行われていないことが多いと感じ、自分の視点にも偏りがあるのではないかと考えるようになりました。この経験から、私は訪問看護という新しい道への興味を抱くようになりました」

転職にあたっては、「一人で判断する不安」や「新しい環境への適応」に悩む声もありました。しかし、実際に働いてみると、チームのサポートや研修制度が充実しており、徐々に自信を持って仕事ができるようになったと話しています。

訪問看護師のスキルアップ方法

訪問看護師として向いている部分、向いていない部分がそれぞれにあっても、継続的にスキルアップを図っていくことで、仕事を続けやすくなります。以下のような方法でスキルを磨くことができます。

1. 医療知識のアップデート

最新の医療情報や看護技術を学ぶため、定期的に勉強会や学会に参加することが重要です。

内部リンク:ナンナルが教育部門を新設。看護の質向上と人材育成に取り組んでいます【教育担当・志賀インタビュー】

2. 他職種連携のスキル強化

多職種合同の研修やケースカンファレンスに積極的に参加し、連携のコツを学びましょう。

3. 専門資格の取得

専門看護師や認定看護師などの資格取得を目指すことで、専門性を高めることができます。それらの資格を持っている看護師もナンナルには在籍しています。

内部リンク:KW「精神 看護 専門看護師 なるには」

4. 学会への参加、研究発表、専門誌への寄稿

希望する人は、ナンナルの研究チームで研究活動をすることも可能です。実際に、看護師が学会や専門誌に参加しています。

ナンナルでは、これらのスキルアップをサポートするためのさまざまな制度が用意されています。例えば、定期的な社内研修や外部研修への参加支援、資格取得のためのバックアップ制度などがあります。キャリアアップを目指す看護師に、充実した環境を提供しています。

訪問看護は自分に向いている?

訪問看護、特に児童精神科の訪問看護は、やりがいのある素晴らしい仕事です。子どもたちが暮らす環境で関わり、家族も含めてケアしていく看護は、病棟勤務では経験する機会がかなり限られてくることでしょう。

自分が訪問看護に向いているかどうか迷っている方は、ナンナルのカジュアル面談や見学をぜひ検討してみてください。

ナンナルでは、経験豊富な先輩看護師のサポートや充実した研修制度により、未経験からでも安心してスタートできる環境が整っています。新しいキャリアにチャレンジしたい方は、ぜひナンナルの求人をチェックしてみてください。

すぐに転職できなくてもOKです。まずは30分程度のカジュアル面談(オンライン)ができるので、お気軽にご連絡いただき、ナンナルのことを知っていただければと思います。

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